2005年08月24日
書籍レビュー その三
これは昨日の本。一日ずつずれてるな。

人間が目的を達成するための手段にはプランを頼りにゴールを目指す方法と
状況に応じた行為(これを状況的行為と呼んでいる)とがあるが、
プランはあくまでも行為を切り取った表層に過ぎず、
ゴールが常に変化しうる状況では後者のほうが効果的であると主張している。
そして、前者の立場をとるHCI研究での認知科学的な人工知能アプローチについて
エスノメソドロジー的な観察を論述の拠り所にして批判を展開し、
インタラクティブなコンピュータシステムの設計に対して
状況的行為の考え方を導入するための方向性を提示している。
状況論は認知科学から派生した異なる方向性を持つ学問であるが、
同じく哲学と袂をわかった現象学の考え方と共通する部分があり興味深い。
(この点は、本著の中でハイデガーのready-to-handの概念を
ドレイファスの著書から引用して言及していることからも明らかである。)
冒頭の航海の例でも、プラン中心的思考は西洋的なものの象徴とされており、
欧米の考え方のもとで発展を続けてきたコンピュータシステムが
次の段階へ大きく舵を切るときが近づいていること示唆しているといえるだろう。
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